信玄棒道を歩く
      (甲斐小泉~小渕沢
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 甲斐小泉駅-三分一湧水富蔵山公園-女取湧水分岐-火の見櫓跡道の駅小渕沢-小渕沢駅  3.8km

 信玄棒道
     棒道は武田信玄が北信濃攻略の為、八ヶ岳の西の麓に軍用道路として造った道のことで、棒のようにまっすぐ伸びていることからこう呼ばれています。 かつてあったという上、中、下3本のうち、残っているのは「上の棒道」だけといわれます。「上の棒道」は韮崎を起点として若神子を経て長野県大門峠に至る道で、現在ではその一部分、甲斐小泉からのルートが、北杜市により「ハイキングコース」として整備され、「美しい日本の歩きたくなる道500選」にも選定されている。沿道には江戸時代に安置された多くの石仏が安置され、古を忍ぶことができます。 距離4km程度。帰路、小渕沢駅まで含めると8kmほどです。
 資料
 「歴史の道調査報告 棒道」 (山梨県教育委員会)
 「信玄棒道ウオーキングマップ」(北杜市)
 「旧街道を歩く 信玄棒道  」(野田伊豆守)

 2024年5月16日  画面をクリックすると拡大します
■甲斐小泉駅~
 今回は「信玄棒道」を歩きます。棒道は上中下の3本の道があり、そのうち「上の棒道」が往時の姿を留め、下、中の棒道は諏訪方面の道として、信玄以前から存在していたといわれます。「上の棒道」は韮崎から若神子、小荒間を経て「大門峠」を越え、長野盆地へ続いていたという。 本来は韮崎から出発し、若神子、せめて「北杜市、逸見神社」あたりから始めたいと思うけど、中々アクセスが難しく、「甲斐小泉駅」から「火の見櫓跡」までが、「美しい日本の歩きたくなる道500選」にも選定されているので、この区間だけ歩いてみようと思いました。 本日はあいにくの雨模様。奥方連れで●小海線の甲斐小泉駅に降りたのは初めて。無人駅でトイレもありません。 駅前に「平山郁夫シルクロ-ド美術館」があります。トイレは美術館前の市営駐車場にありました。 少し南下して●逸見神社から北上してくる「棒道跡」を見に来ました。 ●反転し、棒道跡を三分一湧水方面へ向かいます。 10:40

  沿道には、江戸時代に棒道を行く旅人や商人の道標として西国三十三所・坂東三十三所を模した観音像や石仏群が安置され、現在も39体残されているという。「逸見神社」あたりから「西国三十三所石仏、坂東三十三所石仏」が一部順不同ながら、並んでいるようです。 ●三差路の右手に石仏が1基安置されている。 摩滅しているが、おそらく順番から考えて、"西国二十番千手観音" でしょう。 その先すぐ右手に●常夜燈、道祖神。左脇に"西国二十一番聖観音"。 さらにその先●水車小屋があります。"説明板"
 10:45

   ~三分一湧水
 左手に●三分一湧水館がある。八ヶ岳南麓の湧水の仕組みや水質、湧水の歴史やそれにまつわる民話などと、水力エネルギーの活用についての展示をしている。 湧水館の向かい側に●西国二十二番 十一面観音像があります。 その先、左手一帯に「三分一湧水公園」が広がり、中に●三分一分水装置が造られている。"説明板"。 三方の地区へ公平に水を分配する工夫で、他の地区では”円筒分水”とかの工夫もあり、見たことがあります。 尚、「西国二十三番千手観音」は公園の道向にあり、公園を巡っていて、撮り漏らしました。 10:55

 ■三分一湧水~
 公園を出て、小海線に沿って少し左へ進み、ガードをくぐります。 その先、左手角に●小荒間口止番所跡というのがある。天文年間(1532~)信州大門峠に通じる棒道に設置されたもので、農民が警備を担当しました。 その先に●西国二十五番千手観音立像が立っています。 ●見事な藤の木が映える森の中を進みます。  11:07

    ~富蔵山公園
 ●左へ曲がる先の分岐の正面"西国二十七番如意輪観音像"があります。脇に"棒道の説明板"も立っていたので参考にしました。  その先、民家の農業用保護網の前に"西国二十八番聖観音立像"が立っている。二十二番から脇に案内柱が立っているので助かります。その先、森に入る右手に●富蔵山公園がある。長野県にある「岩殿寺」の山号「富蔵山」の信仰が伝わる地で、寺の本尊が馬頭観音であるので、馬頭観音を始め多くの石仏が立てられています。入口には大きな馬頭観音。右手の蠶玉大神(こだまさん)碑は蚕の神を祀ったもの。ちなみに奥に「西国二十四番千手観音像」があったのは見逃しました。  11:13 

 ■富蔵山公園~女取湧水分岐
 続いて、右手林の中に"西国二十九番馬頭観音座像"。 その先、道路脇に"西国三十番千手観音像"があります。 「棒道橋」を渡ると●踏み固められたジャリ道となり、旧道らしくなってきました。 左手に●西国三十一番聖観音座像が鎮座してます。 4分程先、右手に"西国三十二番千手観音立像"がある。 ●女取湧水分岐に到達。正面に"西国三十三番十一面観音立像"が立っています。右へ行くと女取湧水だけど、まあいいかと思って、行かなかったです。 西国は三十三番までなので西国の石仏はここで終わりです。
 11:26 

 ■女取湧水分岐~
 ●少し広めのジャリ道になって、水平な棒道らしい林間道です。右手に新しく●板東一番十一面観音立像が立っています。続いて右手の苔むした岩の上に立つのが●板東二番十一面観音立像。 細工しやすい、八ヶ岳の安山岩や玄武岩といった、火成岩を用いて作られているという。 11:31

     ~女取湧水合流地点
 沢に向かって●少しアップダウウンのある、細い道になり、右手に●砂防ダムがありました。水は流れていない。 右手の足元に"板東三番千手観音立像"。 高台に●板東四番十一面観音立像と並んでいます。 11:36  

 ■女取湧水合流地点~小渕沢CC
 大きな矢印だけの木製の道標が立っていて、そのすぐ先に"板東五番十一面観音立像。"が立ち、細い道をくねくねと曲がって行くと、●右手から広い草道が向かって来る場所に出ました。女取湧水から合流してくる道で、広いのは防火帯ということでした。 正面奥に"板東七番聖観音文字塔"というのが立っている。板東六番は見えなかったが、欠番のようです。 ●防火帯で広くなって、快適な草道を進みます。右手に"板東九番千手観音座像"。 道の真ん中に、"板東十番千手観音座像"、 左手に"板東十一番聖観音立像"と並んでいます。 板東八番もわからず、「ウオーキングマップ」にも載っていなかったので欠番かも。 ●「・・馬は馬道を通れ・・」という看板がある道に、でかい馬糞があったのでまたいで、通りました。このあたりは乗馬道なのでしょう。 11:57

   ■小渕沢CC~
 左手は「小渕沢CC」が広がります。 右手に●板東十六番千手観音座像があり、石仏はこれが最後。板東霊場は三十三番までだけど、石仏は十六番までのようです。十二番から十五番までは欠番らしい。 ●てすりの付いた小さな橋を渡り、左手の●ゴルフ場では雨の中数組がプレイ中でありました。  12:12

    ~火の見櫓跡
 ●馬道と棒道が並ぶ広い草地を進み、●火の見櫓跡に来ました。●棒道はこの先「八ヶ岳高原ライン」をくぐって、信州へ向かっているのだが、帰れなくなるので「棒道歩き」はここで終わります。 右手に"「歴史の道100選 棒道」"の案内板が立っています。
 12:16

  ■~火の見櫓跡
 櫓跡から左折して、一路「小渕沢駅」に向かいます。距離5kmほど。「棒道コース」より長いです。 途中●乗馬中に出会ったり、●乗馬クラブで馬を見学したりしました。 「道の駅 小渕沢」でそばの昼食を取り、少し休憩。 ●「道の駅」前の市道を少し東へ行きます。この通りは「中の棒道跡」のようですね。 14:33

     ~小渕沢駅
 通りに●石仏が並べてあり、背面に「矢の堂観世音奉賛会」の銘がある。何かと思って調べたら、・・・新羅三郎義光が聖観世音菩薩像(矢の観音)を大津の三井寺より勧請し、小淵沢村に堂を建立し、「矢の堂」と称した。武田信玄は甲斐源氏にゆかりのある矢の堂を崇拝していたが、 武田氏滅亡後荒廃した。その後変遷を経て、地区の住民により再建され、現在は奉賛会より維持管理が行われている・・・ということでした。 これらの石仏は何体か置かれているが、新しいものです。 「女神の森 奏樹」という看板のある所を右折して、一路南下して行き、JR中央線の線路にぶつかったら、地下道をくぐると●小渕沢駅に着きました。 本日は午後から晴れたし、石仏巡りもでき、結構楽しかったです。  15:20終了