東京水道道路 
      (和田堀給水所から多摩湖へ )
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 和田堀給水所-井の頭通-浜田山-松庵-吉祥寺-境浄水場-関前5-多摩湖自転車道-花小金井-東村山-多摩湖   24.1km

 東京水道道路(東京のまっすぐな道
 明治末期、東京の急激な人口増加に玉川上水だけでは給水量が不足し始めた為、村山、山口両貯水池が大正から昭和にかけて建設され、多摩川の水を都心へ給水できるようにされた。  多摩川から取水された水は多摩湖を経由して、境浄水場や和田堀給水所(世田谷区)に向けて浄水を送る給水管が真っ直ぐ作られ、現在の「多摩自転車道」や「井の頭通り」となっている。
 ここを逆方向に、和田堀給水所から多摩湖までほぼ直線道路を歩いてみました。
 約24km。

 資料
   朝日新聞 2020年6月20日付Be 「みちものがたり」 
   東京都水道局hp外

2021年2月14日
■代田橋駅~和田堀給水所  (画像をクリックすると拡大します)
 朝日新聞Be に「みちものがたり」として、東京都水道道路の記事が掲載され、街道歩き人として、興味をそそられ、この道を歩こうかと思い、水道の歴史など調べました。 多摩川の羽村、小作取水堰で取水された水は狭山湖(山口貯水池)、多摩湖(村山貯水池)を経て境浄水場に送られます。この道は「多摩湖自転車道」として転用されています。その先和田堀給水所までの導水道が「井の頭通り」と転用され、現在に至っています。
 2月の暖かい日、●京王線「代田橋」下車。すぐ東側を「玉川上水」が流れている所です。線路に沿って歩いて行くと●和田堀給水所に出会います。ここは境浄水所からの浄水を溜めておく所で、円形の1号、方形の2号とあり、1924~34年竣工の巨大な建造物で、現在建替えのため2号の方は取り壊されている。正面から見ても全貌がわからないので、●グーグルアースで見てみました。
 参考までに(https://senseki-kikou.net/?p=7601 10:30

 ■和田堀給水所~玉川上水公園
 ●首都高のガードまで来ると、前方右手に「和泉給水所」が見え、ここから井の頭通りの真っ直ぐな道が続きます。現在の井の頭通りは南東の渋谷駅の方へ続いているのだが、水道跡地としてはこのあたりから始まるようです。 和泉給水所の前に●「井の頭街道」と彫られた石碑があり、「文麿」の落款があります。なんでも、荻窪に住んでいた近衛文麿が議会へ通うのに利用していた水道道路に、「井の頭街道」の名前を付けたそうです。 道路対面の細長い公園は、玉川上水の上に作られた●玉川上水公園  10:42

 ■玉川上水公園~神田川
 和泉給水所を過ぎると●下り坂が続いている。神田川が造る段丘を下りて行く形。 底辺に●神田川が流れている。右手は●工事中で遮断され、龍光寺や熊野神社などがある、風情のある所なのだけど行かなかった。  10:50

 ■神田川~環八通り
 「永福町駅」を過ぎると●荒玉道路という看板の架かる交差点に出ます。荒玉道路も水道道の一つで、荒川と多摩川の両方から取水する計画だったものが、荒川にはつながらなくて、多摩川の砧浄水場から野方給水所(中野区)を経て、大谷口給水所(板橋区)までで終わってしまった。井の頭通りとは直交して左右に真っ直ぐ延びています。その先●浜田山駅入口交差点から左斜めに入る道路は「人見街道」。右手奥に広がる「和田堀公園」にある「大宮八幡」から府中市、八幡神社まで延びていて、鎌倉街道の一つと云われます。 その先●環八通り・高井戸北陸橋をくぐります。 12:00

 ■環八通り~吉祥寺駅
 浜田山駅あたりから、さすが高級住宅地というべきか、外車のディーラーが多く目に付きます。ポルシェ、アウディ、ヤナセ、珍しい所では●マセラッティ、アルファロメオ、都立西髙の先に「ジャガー」、「ボルボ」等々。 ●松庵に入ると街路樹が目に付くようになり、やがて武蔵野市へ入りました。●京王井の頭線、吉祥寺駅の下をくぐります。  12:54

 ★武蔵野八幡宮と吉祥寺四軒寺
 ガードくぐった右側には「JR吉祥寺駅」が見え、その先、吉祥寺駅前交差点を井の頭通りは真っ直ぐ進み、左へ行くと「井の頭公園」になる。 ここは、右に曲がって「吉祥寺通り」を「武蔵野八幡」の方へ向かいます。 しばらく進むと「八幡宮前」交差点の右奥に●「武蔵野八幡宮」があります。 元々は本郷にあった「吉祥寺」の氏神で、延暦8年(789)に坂上田村麿が宇左八幡大社の分霊を祀ったと伝えられる。明暦の大火で「吉祥寺」の門前町の人々がこの地に移住した際、鎮守として一緒に移ってきたという。
 そもそも、吉祥寺という地名は「吉祥寺」という名の寺がこの地にあるわけではなく、門前町の人々が移住してきたという由来による。「吉祥寺」というお寺自体は本郷から駒込に移っています。 続いて神社の隣に●「安養寺」がある。 このあたり外に「光専寺」、「連乗寺」、「月窓寺」と3ヵ所固まり、「吉祥寺の四軒寺」と呼ばれ、「吉祥寺の寺町」と呼ばれているそうだ。 安養寺は寛永元年(1624)の開山。真言宗。門前に庚申供養塔や六地蔵があり、●梵鐘は安永2年(1773)当時の吉祥寺村の小美野(濃)源助が本寺に奉納したもので、当市域の鋳物師の存在を知る史料としても貴重なものという。  13:15

  安養院の向い側に●光専寺。浄土宗。 享保の頃、この地に疫病が流行した際、住職が子供たちの供養と延命を祈願して、箪笥を改造した厨子に納めて巡礼したと伝えられているという、「箪笥地蔵」の像がある・・というのだが。よくわからず。
 吉祥寺通りに面して●連乗寺。日蓮宗。本堂は新しい。本堂正面に安置されている日蓮上人の像は木製の坐像で、右手にしゃく、左手に経文の巻物を持って、「厄除日蓮」とよばれ厄年男女の守り本尊として有名である・・というが、これ又境内に人気が無いし、扉も開いてなく、よくわからず。
 月窓寺は万治2年(1659)の開山。曹洞宗。吉祥寺の開村とともに開かれる。境内には南側から入れるのだが、特徴ある●山門は東側の「サンロード」側に置かれていて、通行止めであった。 境内、観音堂に安置されている白衣観音坐像は、武蔵野市内最古の銘(元禄二年)を持ち、近世作例としては珍しい乾漆だそうだ。  13:30  

 ★井の頭公園
 吉祥寺通りを南下して、「吉祥寺駅前」交差点を通過していくと「井の頭公園」に出ます。言うまでもなく、「石神井公園」の(三宝池)、「善福寺池」と並び、武蔵野三大湧水池として知られる●井の頭池を中心とした公園である。神田川の水源でもあります。
 ここに来るのは数十年ぶりになるかな。桜の開花前なので人出はそう多くない。  14:15

 ■吉祥寺駅前~境浄水場
 駅前交差点から又真っ直ぐ西へ向かいます。●本町3丁目あたり●境浄水場手前まで来ると、けやき並木が武蔵野らしい風情を醸し出して、良い感じ。歩道も広くなってきた。 ●新武蔵境通り、境浄水場手前に到着。左手に石垣の続く浄水場が広がります。石垣の上に上って見ても、中の様子はよくわかりません。衛生上の問題のあるので、簡単に覗けるものでもないでしょう。グーグルアースでみると、こんな感じです。(航空写真)  ・・・ここで、吉祥寺で遊んだせいか、午後3時近くになり、あと10km、多摩湖までは無理と考え、武蔵境駅へバスで向かい、帰りました。 14:53 

 ★境浄水場
 2021年2月21日 10時50分 浄水場入口へ到着
 井の頭通りに面する●●歩道は一段高くなっていて、石垣の上を歩くようになっている。なんでも歩道の下を水道管が通っているという説があったけど、本当だろうか。 ただ単に、一段高くしないと、左側が石垣で殺風景ではないかという感じもします。
 途中で●浄水場の中を覘いてみたが、地上からは何だかよくわからず、やはり航空写真でないと、規模がつかめません。 境浄水場は緩速濾過方式の浄水場としては日本最大規模だそうで、原水は多摩湖と狭山湖の貯水池から引き入れている。日を決めての公開日があるようです。  グーグルアースより  10:55

 ■境浄水場~多摩湖自転車道入口
 浄水場の先、●関前5丁目交差点が「多摩自転車道」の入口になります。左右に交差しているのは「五日市街道」。けやき並木が見事。 交差点から真っ直ぐ向って入るのが●「多摩湖自転車道」で、多摩湖からの水を境浄水場に送るための導水管が埋まっており、工事の関係で真っ直ぐ引かれている訳です。入口に●「ゼロkm」ポイントが埋まっています。多摩湖まで10km程。11:05

 ■自転車道入口~
 道は大体、●左側が歩行者道、右側が自転車道ですが、右側を歩いたり、ランニングする人も多いです。きれいに植栽され、桜やけやきの並木が覆い被さるように植えられ、桜の季節はさぞやきれいでしょう。今日は2月で少し早かったです。 途中●モニュメントや休憩所も設けられ、歩きやすい。 何より車が通らないのが大変よろしい。 先に進むと●右側がが開けた農地で、空が明るい所にも出ます。 11:25

    ~石神井川
 「上向台小学校」のあたりへ来ると、右側が土手になっている所があります。●●「馬の背」と呼ばれ、すぐ先を●石神井川が流れていて、土地が低くなっているので、土手のように盛り土をして、導水管を通しているのだそうだ。 11:35 

 ■石神井川~花小金井駅
 石神井川を過ぎると、近づいていた●鈴木街道が又離れて行きます。「鈴木街道」というのは、 徳川吉宗の時代、新田開発が盛んに行われ、小川新田、大沼田新田 、野中新田などが次々と誕生した。その新田の一つに「鈴木利左衛門」によって開か れた鈴木新田があって、小金井から小平にかけて開発が行われた。その名残が鈴木街道として今にその名を留めている。
 その先は工事の為か、●人形型バリケードが真っ直ぐ置かれて、人と自転車と分離が図られている。 右手●花小金井駅に着きました。 11:55 

 ■花小金井駅~ふるさと村
 駅前を真っ直ぐ突っ切ると、右手に●たけのこ公園。園内にはうっそうと竹が茂り、遊歩道で散策を楽しめます。 青梅街道を過ぎると右手に●ふるさと村があります。 小平市が旧小川家住宅玄関棟ほか4棟の建物を寄贈を受けて、解体保全をしてきた施設。
 案内図 ●江戸から明治に掛けての建物の見学が出来るようになっている。 12:15

 ■ふるさと村~
 ふるさと村を過ぎると、すぐに●新小金井街道ぶつかって、街道は迂回。ここは50m程右折して西武線の脇を平行に渡って又戻ってこないといけない。唯一の迂回道で、朝日新聞でも・・・・ああ残念・・・となげいていますね。 少し南下して青梅街道脇に●延命寺と境内に●多摩野神社があります。案内板 神社の方は詳細不詳ながら、、延命寺より10年くらい早く祀られたという。
 12:30

  ~西武拝島線踏切
 先に進むと、●大きな桜が頭上を遮るように現れ、右手に●小平駅が現れた。10分程歩いて、●西武拝島線の踏切を越えます。
 13:03

 ■拝島線踏切~萩山駅
  「萩山駅」から先は●多摩湖線に沿って歩くようになり、駅ホーム上では数人の電車マニアがなにやら、赤い電車を撮っていたので、何だろうと思いながら、その●赤い電車が止まっていたので、一枚撮っておきました。 帰りに「萩山駅」構内に「 ありがとう101系 多摩湖線ラストラン Week  2021年2月18日~22日」というポスターが貼ってあり、101系のラストランだったとわかりました。 ●多摩湖線が左手高台を走るようになってきます。 13:20

 ■萩山駅~新青梅街道
 ●八坂駅」前です。頭上の陸橋は駅へ向かう為のもの。 「西武国分寺線」を越えると、線路向こう側に「都立東村山中央公園」が大きく開け、●線路は地面と平行に下りてきて、公園には高架橋を上がって行くことができます。 ●新青梅街道のガードをくぐりました。 13:43

 ■新青梅街道~武蔵大和駅西交差点
 くぐると●空堀川。武蔵村山市立野山北公園域内あたりが源流で、晴れた日が続くと水が無くなることが多いらしい。 今日は透明できれいな流れがありました。 すぐ先が「東村山浄水場」で、少し迂回して進むと、●10kmポイントがあり、●武蔵大和駅西交差点に来ます。ここが真っ直ぐな自転車道の終点で、「狭山公園の」南縁にあたります。 「自転車道」そのものはこの先、多摩湖周辺を巡るようになります。  14:00

 ■西交差点~多摩湖
 交差点を渡り、一応自転車道の続きの●狭山公園に沿った坂を巡ります。公園の中を歩くのも良いでしょう。上がりきると●多摩湖入口に出ます。取水塔を模した門があります。中に入ると写真などでよく見る●取水塔が現れました。大正14年の竣工で「日本で一番美しい取水塔」と云われます。東京都選定歴史的建造物でもあります。 14:15

 ★多摩湖
 左手に●多摩湖が広がる。堰堤からの眺めが良く、湖正面には西武球場ドームが見え、右手に●西武園遊園地の観覧車。住宅地が広がっています。多摩湖は東京都内に位置し、湖対岸が埼玉県との境になっています。ここに来るのは小学校の遠足以来と思うので、懐かしい感じがします。 湖は西の村山上貯水池と東の村山下貯水池に分かれていて、北側に狭山湖(山口貯水池)があり、これは埼玉県内になります。詳しくは (東京都水道局HP)

 ■多摩湖~西武遊園地駅
 堰堤を真っ直ぐ進み、突き当たって右手へ下りて行くと、●氷川神社がある。宅部氷川神社と称して、創建年代は不詳。山口領氷川神明社を分祀して当地に鎮座、明治6年村社に列格していたといいます。 下りきり、線路をくぐって●西武遊園地駅より帰りました。
3月から多摩湖駅に改称された) 14:40終了