室生古道を歩く 
        (髙井~室生口大野駅)
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 高井-赤埴-仏隆寺-唐戸峠-西光寺-室生寺-芸術の森-門森峠-一ノ渡橋-大野寺-室生口大野駅    13.5  km

 室生古道

  女人高野で有名な室生寺には東西南北に末寺が配され、(東は田口の長楽寺、西は大野の大野寺、南は赤埴の仏隆寺、北は名張の丈六寺)参詣四門といった。ここから内を聖域として山越え、谷越えして室生寺へ入ったという。
 室生古道は室生寺とそのゆかりの寺を巡る古道で、今回は南の仏隆寺から入り、室生寺を参拝し西の大野寺へ抜けた。
 伊勢本街道の宿場である「髙井」から始め、仏隆寺、唐戸峠、西光寺を経て、室生寺へ。帰路は大野寺を経て近鉄室生口大野駅へ向います。途中室生寺から大野寺までは東海自然歩道として整備されている。 距離は14km程度

 参考資料

 近鉄ウオーキングマップ「室生寺・大野寺コース」
 「街道・古道を歩く 西日本編」(山と渓谷社)  

 2013年4月28日
 ■榛原~髙井~伊勢本街道分岐
 近鉄榛原駅に9時6分に到着。伊勢本街道の宿場だった高井まで行く訳だが、高井までのバスが10時12分で時間がありすぎ、どうせ4km程度なので歩いてしまうことにした。高井までは伊勢街道で歩いており、様子はわかっている。歩く前に駅前のコンビニで食料を仕入れておいた。室生寺までは売店は無いはず。
 高井までの途中、「弘法大師の岩清水」、「御井神社」などがあったり、旧道の山道があったりするが、今日は本筋ではないので真っ直ぐ、バス道を進んだ。
 1時間程度で●高井宿へ着いた。左斜めに入って行く。高井は伊勢街道の宿場であった所で、●うだつがある旧家など往時の雰囲気が残っている。ちょっと進んで、左折する角に●「大和茶発祥伝承地・摩尼山 仏隆寺」、「左 室生山道」などの道標が立っている。    10:15

■伊勢本街道分岐~赤埴
 この道標に従って左に折れ、小さな「頭矢橋」を渡って行くと●伊勢本街道との分岐点に出た。本街道は右手の坂を上がって行き、室生古道は左手を進んで行く。傍らに●「右 いせ本街道」、「左 仏隆寺」と刻まれた小さい道標がある。
 左手の室生古道を進んで行く。右手に●壱丁と刻む町(丁)石があった。
 ●杉木立に夾まれた緩やかに上がる舗装路を進んで行く。天気が良いので気持がいい。   10:25

■赤埴~仏隆寺
 高井の分岐点から20分も歩いてくると、●分岐する所がある。古道は左へ曲っていく。角に何が書いてあるのかわからないが、●石標があったり、左手に●十丁と彫られた町石があった。
 ここから少し急坂になる。右手にトイレがあったりする。やがてにぎやかな声が聞えてきて、●前方に茅葺の地蔵堂が見えてきて、仏隆寺に近づいてきた。30人くらいのグループがいて、無人販売所で野菜を買ったりして、ワーワー言っておる。10:40

 グループの人達は仏隆寺の石段を上り始めた。ペースが遅いので下の方で少し時間をつぶさないといけなかった。
 正面に●藁葺き屋根の地蔵堂がある。中には可愛らしくて素朴な小さな●地蔵さんが祀られていた。
 グループの人達も寺に入っていったので左手の●石段を上って行く。石段は古びて鎌倉時代のものらしい。  10:50

 ★仏隆寺
 石段を登り始めて途中の右手にある巨木は●モチズキザクラという桜の木で、ヤマザクラとエドヒガシの雑種であり、仏隆寺の千年桜と呼ばれている。根囲が7.7m根株から2mのところで大小11本に分岐奈良県下最大のサクラで天然記念物である。すでに開花時期は過ぎてしまったが、満開の時はさぞやと思われた。
 100円を賽銭箱に入れて山門をくぐる。●仏隆寺は真言宗室生寺派の寺で、室生寺の南門として本寺と末寺の関係にある。室生寺の僧坊や隠居寺でもあったとか。境内には開祖の堅恵が入定したと言われる●石室があり、内部に堅恵の墓と伝えられる五輪塔が祀られている。●十三重の石塔は上の部分が壊れて下に落ちてしまっている。 またこの寺は空海が唐から持ち帰った最古の茶を栽培したといわれ、大和茶発祥の地とされる。    11:00

 ■仏隆寺~唐戸峠
 隣接する白岩神社の石段を下り鳥居をくぐると、全面に●茅葺きの水車小屋があった。
 その先は●唐戸峠への入口に入って行く。急な上り坂だが、●落葉が厚く積って快適である。それを過ぎると今度石がごろごろしてきて歩きにくい。伊勢街道の峠道もガレ場の感じだったが、ここもそんな感じ。  11:10

 ■唐戸峠~カトラ新池
 15分も登ると●唐戸峠に着いた。先ほどのグループの皆様が休憩中でワイワイガヤガヤ。その先は舗装道路が下っている。左手石積みの上に祠があって、●役行者が祀られていた。グループの先を行こうと思って、下り坂を下りて行った。
 8分位で●カトラ新池を通過した。ダッダッダと進むと唐戸ヶ辻という所。川の土手沿いにいくつかのグループが弁当を広げている。 天王橋を渡って室生へと向かう。    11:35

■カトラ新池~腰折地蔵
 林道を進むと、前方に●ゲートが見えた。いうまでもなくイノシシや鹿対策だろう。左側の扉を開けて、くぐってから念入りに扉を閉めた。すぐ先に●腰折れ地蔵堂がある。●祀られている地蔵は何度も倒されて、腰から下が2つに折れており、それはこの石仏が地蔵仲間の中でも意地悪地蔵だったので倒されたためとか、子育て地蔵と子どもの取合いをして、腰を折られたとかいわれている。昔から腰から下の病気に霊験あらたかとして、旅人から慕われていた・・・とかいう話。  12:00

■腰折地蔵~室生の里
 腰折地蔵の先で下り坂になり、大きくUの字を描きながら巡って行く訳だが、途中に●菜の花が満開の里が開けている。集落の舗装道をゆるゆると下ると、左手に●西光寺がある。西光が天正8年に開いた、融通念仏宗のお寺とは珍しい。 屋根は茅葺だがトタン板で覆われている。現在は無住らしく、人の気配がない。境内の「城之山桜」 と呼ばれるシダレザクラは樹齢は約300年だという。 道は下り坂で眼下にいわゆる●室生の里が広がり、のんびりする気分で歩が進む。  12:25

 ■室生の里~室生寺
 案内板に従って小さいUの字形に下りて行くと●室生寺の参道に出た。春の石楠花の季節とあって人が沢山いるし、車も結構通っている。少し先に●朱色の太鼓橋が架かり、「女人高野山」の石柱も立っている。橋を渡ると●柿檜葺の表門があった。てっきりこちらが入口かと思ったら出口になっている。受付は右手を進んで行き、拝観料はちと高い600円。払ってから右手へ進むと仁王門がある。   12:55

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 ★室生寺
 室生寺の縁起としては、桓武天皇が皇太子時代に病気になった時、室生山で行われた祈祷の霊験で快癒されたことを感謝され、勅命により建立されたという。現在は真言宗だが、他宗派の影響も受け、多種多様な仏教美術を保存しているといわれている。境内は山を利用して建てられているので境内を歩くにはほとんど石段を移動することになる。バリヤフリーなどという世界はではなく、結構大変な思いをしないといけない。

 1 仁王門 いつの頃の建立か説明がないのだけど、そんなに古くはなく、再建されたのかと思う。こけら葺で風格がある。
         赤仁王と青仁王が立つ。急坂の石段の鎧坂を上がる。
 2 弥勒堂 西側に建つ。入母屋造、こけら葺。興福寺の伝法院を受け継いだと伝える鎌倉時代の建築で、その後の改変
         が多い建物である。
 3 金 堂  鎧坂の正面に建つ。こけら葺き。入母屋造、本来礼拝機能は無かったものを、江戸時代正面一間通りを
         付加して礼堂にしている。
 4 本 堂 金堂からさらに石段を登ると本堂がある。真言密教の最も大切な法儀である灌頂を行う堂で、灌頂堂とも呼ぶ
         五間四方入母屋造りの大きな建築で、和様と大仏様の折衷様式を示す。鎌倉後期の建立。
 5 五重塔 石段を上がる途中から仰ぎ見る姿がもっとも有名な塔である。野外に立つ五重塔としては最も小さいく、
         高さ16.2m。法隆寺五重塔に次ぐ古塔である。
           400段の急坂の石段を上がり、「奥の院」へ向う。   
 6 御影堂 弘法大師を祀る。板葺き二段屋根の宝形造りで、屋上の宝珠と露盤は石造りで珍しい。

 ■室生寺~芸術の森
 室生寺を出て、大野駅までは東海自然歩道を利用する。自然歩道に入るには色々な行き方があるのだが、近鉄のテクテクマップに従った。太鼓橋を出て、すぐ前の店の前を抜け民家の間の細い急坂を上がって行くと、自然歩道の案内柱があちこちに立つので、「室生ダム・室生口大野」方面への案内に従って行けばよい。●小さな朱色の「あさぎ橋」を渡る。適当に進んで、●石垣のある家の間の坂道を上がる。
 上がって行くと●室生山上公園に出た。   14:05

 ■芸術の森~門森峠
 公園の駐車場の奥に●芸術の森の建物がある。案内板に従い●駐車場の奥の山道を進んで行く。ここからは鬱蒼とした杉林の道を上り道が続いている。ちょっと息が上がったが、そんなに時間がかからず、10分程度で●門森峠に到着した。14:21

 ■門森峠~一ノ渡橋
 峠から下り坂になるので楽になるかなと思ったら、これが大変で基本的に●石畳道なのだが、苔むした石でツルツル滑る。途中水路になって水たまりの所もある。ゴロゴロ石が現れたりで、回りを見る余裕がない。回りを見ていると、石に挟まり捻挫する恐れがあるので、下を注意して歩かねばならず余計に疲れた。距離も下りの方が長く、40分程かかって大野側の●自然歩道入口にたどり着いた。 平地を少し行くと●朱色に塗られた一ノ渡橋が見えた。   15:11

 ■一ノ渡橋~大野寺
 一ノ渡橋の先はバスが通る県道を行くが、このあたり橋の架け替え工事中らしく、室生川には新しい橋が架かり、●つり橋まで架かっている。県道から右手に下がり、大野方面へ進むと、途中に●茅葺の甘味処「やまが」がある。その先左手に●大野寺がある。室生寺の四門の一つ。  15:30

 ■大野寺~室生口大野駅
 300円を賽銭箱に収めて●境内に入った。開基は役小角と伝える。宇陀川岸の自然岩に刻まれた弥勒磨崖仏があることで知られ、枝垂桜の名所でもある。その●磨崖仏は対岸の高さ約30mの大岩壁を高さ13.88mにわたって光背形に掘り窪め、像高11.5m弥勒仏立像を線刻だけで彫ってある。遠目ではよくわからないので、望遠で撮ってみた。全体は撮れないので頭部だけだけど。
 その後●室生口大野駅へ行き、近鉄急行で帰宅した。自然歩道の下り道のゴロゴロ石には疲れた~ _(_^_)_。  15:40