志木街道を歩く1 
       (東大和市~志木新河岸川)
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 東大和市駅~奈良橋-武蔵大和-東村山-久米川-清瀬-清戸-愛宕-新座-野火止-志木-本町-新河岸川 21.29km

 志木街道
 この街道は東大和駅脇にあった、青梅街道の青梅橋(跡)から東村山、清瀬、新座を通って新河岸川の舟運で栄えた引又宿(志木)へ通ずる道です。もとは江戸時代から、近郊の産物を江戸へ陸路で運ぶより、新河岸川の舟運を使った方が大量かつ安易なので、日常的に使われた道でした。 全長30km程度。
 ここを小金井街道との合流点である、清瀬市元町交差点を境に2回で歩きます。
 参考資料
 

2023年5月5日 ※ 写真をクリックすると拡大します
★東大和市駅近辺
 今回の志木街道は古代の官道や戦国時代の軍道ではなく、江戸時代住民が土地の産物を江戸へ大量かつ安価に運ぶために日常的に使っていたという道になります。文献的史料がなかなか見つからず、通説的な東大和駅脇の青梅橋跡から志木市新河岸川、引又宿跡付近まで歩いて見ました。
 ●西武拝島線「東大和市駅」ガード付近。青梅橋跡になる。ガード下を青梅街道が通り、野火止用水が横切って、用水を渡る橋が「青梅橋」です。木の下に●小祠があって、庚申塔が納まっています。●昭和27年当時の写真。青梅橋の欄干が見え、左手に庚申塔の小祠が見えます(クリックすると拡大)"案内板" 9:52

■東大和市駅~奈良橋庚申塚
 西武拝島線ガードをくぐり、●真っ直ぐな青梅街道を北上します。●「東大和中央交差点」先で、右斜めに少しばかりの旧道に入ります。程なく、元に戻り、市役所前を通過して、●「奈良橋庚申塚交差点」に来ました。庚申塚というくらいで、ここに庚申塔があったのだが、昭和42年にこの先の雲性寺の山門下に移設されたといいます。 10:20

■奈良橋庚申塚~奈良橋
 すぐ北側の左右に遊歩道ができているが、ここは●「旧空堀川」が蛇行して流れている所で、洪水防止の為埋められてしまっている。ここに庚申橋が架かっていたのだが、無くなっている。その先●新庚申橋からみた「新空堀川」。蛇行が無くなって直交している。これも洪水防止工事によるもの。流れる水はほんのちょっぴり。 ●奈良橋交差点。街道は右に曲がるが、先ほどの移設された庚申塔を確認に行きます。 10:30

■奈良橋~
 交差点から左斜めに上がって来ると。●雲性寺があります。狭山丘陵の高台に建っていて、結構広い境内地を持つ。"案内板" 山門は箱根本陣の一の門を移設したものだそうだ。 山門下に●奈良橋庚申塚にあった庚申塔がありました。また"阿字庚申" と称する、珍しい庚申塔が本堂に安置されているという。 奈良橋交差点に戻って、右折します。前方は●狭山丘陵が続き、更にその北方は「多摩湖」です。 10:50

  ~高木神社
 奈良橋川の先で、右側の脇道へそれて高木神社へ向かうが、この道が旧道であるかどうか、関東迅速測図では点線入の太めの線で描かれている。左手の広い境内地に●高木神社が鎮座しています。ここに明治時代の高木村外五ヶ村連合戸長役場があったという。
 "案内板"   左手に回り込むと●松っこごれ地蔵という地蔵が祠に納まっている。由緒板が実に読みにくいので、後でネットで調べたら、・・・地元では「松っこごれ地蔵」「いぼ地蔵」と呼ばれるそうで、 ・・・昔、このあたりが一面の原だった頃から、「いぼ地蔵」といわれ村の人達の信仰を集めていました。このお地蔵さんにお願いするとがんこないぼもいつの間にかコロリと取れてしまうからなのです。 いぼを取ってもらった人は、お礼に山から「松っこごれ」(松かさ)を取ってきて木綿の糸でつなぎ、首や手にかけてあげました。いつも松っこごれでかざりたてられているので、いつしか「松っこごれ地蔵」といわれるようになり親しまれていました。・・・という。松ぼっくりを首から沢山掛けてありました。 地蔵の前の道を●都道128(志木街道)へ戻ったが、1本東側の都道へ戻る道の方が角度がゆるく正しかったかも知れません。 11:20

 ■高木神社~
 「高木2丁目」バス停先で、左へ入り、少々の寄り道。坂を上がって行くと、●圓乗院がある。火災で記録を消失しているが、賢誉法印(平治元年1159年寂)が開山となり創建したといいます。徳治2(1307)年の年号のある板碑は、市の郷土資料に指定。"案内板"    寺の前から保育園の脇を下って行くと、正面に●狭山神社。この場所に元々「天狗社」があり、都道脇の「市消防団第二分団詰所」にあった「神明社」が明治に合祀され、狭山神社となった、という由緒を持つ。神社の前を都道の方へ下りて行くと、●左手の消防団のある場所が「神明社の」跡地になり、脇に石碑が立っている。 11:40 

   ~清水観音堂
 ●伝兵衛地蔵という面白い顔をした、先を右へ入って行くと●清水神社がある。割と堂々とした神社で地域の鎮守。
街道に戻り、左手にあるのが●清水観音堂。創建年代等は不詳ながら、新編武蔵風土記稿では貞治7年(1368)銘の古碑があったという。、清水三十三観音霊場の十五番目の札所で、本尊は正観世音菩薩。作者は行基といわれる。"案内板" 11:50

  ■清水観音堂~武蔵大和駅
 観音堂境内に文化財が二基ある。●清水本村橋の石橋供養塔。脇を流れる前川に天保4年(1833)石橋をかけた際、建立されたもの。平成16年、橋の工事にともない隣接の現在地へ移設された。同じく●砂の橋(空堀川)の石橋供養塔。こちらは空堀川に架けられた橋供養塔で、大正15年に移設されている。 すぐ先が●武蔵大和駅西交差点。左へ行くと「狭山公園」から「多摩湖」へ続く。右へ行くと●「多摩湖自転車道」(東京水道道路)へと続きます。 11:57

■武蔵大和駅~
 ●西武拝島線のガードをくぐって、東村山市に入ります。 左手に●宝珠稲荷神社。安永元年(1772)宝珠寺の鎮守として創建。 明治になってこの先にある、金山神社に合祀されたが、現在の祠は合祀を願わない人々によって新たに建てられたものと思われるという。その右隣に●寶珠禅寺。由緒が色々で "案内板"によります。境内に「石橋供養塔」と"石造延命地蔵立像" があります。
   12:05 

    ~金山神社
 少し先、左手に●光明院、廻田(めぐりた)不動尊というのがある。真言宗豊山派。創建年代は不詳。中世には堂舎の建ち並ぶ大寺だったものの、新田義貞の鎌倉攻めの際に兵火に罹り荒廃したと伝えられる。現在東大和市にある、三光院の兼務寺となっており、地元の方たちにより管理されています 。正面が不動堂、左側が鐘楼、薬師堂。境内に● 廻田安産地蔵"案内板" 。外に"応永の板碑"があり、欠けているが完全な形だろ、都内最大級だそうだ。 その先右手に●金山神社が鎮座している。結構神社として端正な形をしていて好ましい。"案内板" 12:15

 ■金山神社~東村山駅西
 「野口町」に入り、左手奥に「正福寺」があるので、寄って行かないとならないでしょう。鎌倉街道上道以来の2回目。臨済宗で鎌倉の建長寺の末寺です。開基については執権北条時頼とする説と北条時宗とする説がある。 ●山門と●千体地蔵堂。地蔵堂は室町時代の応永14年(1407年)建立とされ、禅宗様建築の代表的遺構として、東京都唯一の国宝建造物です。"説明板" 開扉は年3回であるので、今回も見られませんでした。 その先、●東村山西口交差点へ来た。「東村山駅」が工事中で通れないので、左へ迂回します。
 地図では左へ曲がって、踏切を曲がり、右へ曲がる三角形を描く形になっている。迅速測図でも三角形が描かれる。しかし少し戻って「大善院」の前を円弧状に回り、弁天橋を渡る道の方が正しいのではないかという感じもします。 12:50

 ■東村山駅西~鎌倉街道上道分岐
 ●駅北側の踏切を渡ります。只今高架線の工事中で、稼働中の線路の上に架けていくので、大変な工事でしょう。 渡って、右へ行くと、右手の広場に●庚申塔、馬頭観音などが置いてある。 左の"百万遍供養塔" は道標になっていて、 「右西山口・ 同北川越道 左東江戸道 同東大山・」のように読めるが?・・。 都道16号(府中街道、志木街道と合流))に出て、左へ曲がった先、左へ入る所は●鎌倉街道上道との分岐で、左へ行って、線路を越えた先に「元弘の板碑」で有名な「徳蔵寺」があります。 13:25

 ■上道分岐~久米川町5
 左手に●成田山不動(久米川不動堂)。梅岩寺住職が病気平癒の後に不動尊を寄進し、明治9年に創建したもの。 右手に● 石灯籠と地蔵の祠があるが、由緒わからず。 ●久米川町5交差点で府中街道は右に折れていくが、寄り道のため真っ直ぐ進みます。13:45

  ■久米川町5~
 左へ下って行くと●熊野神社。元弘年間(1331~1334)久米川の合戦の時に新田義貞が後詰を置いた所といい、久米川村の鎮守として崇敬を集めたいう。"案内板" 東隣の梅岩寺。 境内の大カヤ、大ケヤキが天然記念物。 左の●大ケヤキ(東京都天然記念物)。高さ27m、幹回り7.3m。都内でも有数の巨木といわれる。右の●大カヤは東村山市天然記念物。14:00

    ~野塩川
 ●都道40号となって本来の志木街道になります。 JR武蔵野線跨線橋を越えて ●清瀬市に入りました。 「いなげや」でしばし休憩。 ● 野塩橋から空堀川を見る。名前の通り水が流れていない。 野塩橋を渡った所に、"石碑"があるが、橋の供養塔らしい。
 14:50

 ■野塩川~清瀬駅
 その先右手は、学園、病院などが立ち並ぶ文教地区で、特に、●緑濃い様相になる、国立看護大学校あたりは「旧清瀬病院跡地」でした。"案内板"。 その先、西武池袋線は地下をくぐる。 ●郵便局前交差点は小金井街道との交差地点なので、本日はここまでとし、右折して小金井街道を●清瀬駅に向かいました。 15:25終了

       2清瀬駅~新河岸川