下仁田街道を歩く3 
      (南蛇井~初鳥屋)
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 南蛇井千平駅小坂坂峠入口-下仁田交差点-安養寺-小河原-本宿滑岩-大栗-初鳥谷 21.66km
 


 2024年5月12日 画面をクリックすると拡大します
■南蛇井駅~
 下仁田街道3回目。●南蛇井駅、8時33分到着。本日は下仁田町営バスで下仁田駅に戻るので、バス停に沿ってできるだけ先に向かって進みます。途中、難所の小坂坂峠を通りますが、廃道の情報もあるので、行って見ないとわかりません。
 踏切を渡って●旧道へ合流。すぐ左手に"道祖神"と馬頭尊と首のない地蔵尊がある。神の字が「しめすへんに曳」が使われて、調べてもわからなかった。 その先、●十字路左角、消火栓の脇に"双体道祖神"があります。かなり摩滅して読めないが、宝暦12年(1762)とのこと。 8:48

   ~千平駅
 道は直角に左に曲がる所、右手奥に●「最興寺」があり、左に曲がって行くと、上信電鉄の踏切があるので、渡ってから、道なりに行きます。左手に"文字道祖神と双 体道祖神と"が立っています。「歴史の道調査報告書」によると、双体道祖神の男神像は幣束を持ち、女神像は合掌又は徳利を持つ。女神像の左に「女中念仏供養」と書かれ、これほどはっきりした神仏混合の道祖神は初めて・・とある。 道は少しばかり、クネクネと曲がり、千平の集落に入ると●長い塀と門構えを備えた旧家が建っています。このあたりは「小坂坂峠」の入り口で、旅人でかなり賑わったと云われます。 左に緩く曲がると●千平駅があり、無人駅です。 9:05

 ■千平駅~
   駅の先、三差路に出て、右に曲がって踏切を越えます。「調査報告書」では、道標があるというが、見当たらない。踏切に「下仁田街道」の案内板が立っているはずのところ、これも無い。 踏切を渡ってすぐ右手に●金毘羅宮があります。上信電鉄が立てた案内には・・下仁田町白山滝尻地区に里宮として鎮座し、鏑川の舟運など川交通の安全祈願の神様として祀られてきたが、明治27年前後上野鉄道株式会社の敷設工事の為現在地へ移設した・・とのこと。  踏切から少し行くと、●すでに壊れているが、「下仁田街道」と表記されていた案内板(○印)が立っている所を、左へ入っていくのが旧道で、そこへ入って行きます。 小さい橋を渡ると、●草地で普通に歩けます。 県道にぶつかった先は"畑の間"で、進むことが出来、進んでいくと山林に入り込みます。本来は進むことが出来て、県道に合流するはずのところ、灌木が繁茂して先が見えず、道もわからずで、迷ってしまっても困るので県道まで引き返して、県道を進みました。 9:18

    ~小坂坂峠入口
 県道をしばらく進むと、●赤いコーンが置いてある所に来ました。ここも本来は「←上野鉄道大谷川鉄橋」と「小坂坂峠道」の案内版が立っている場所で、これらの案内板もなくなっており、「鉄橋」の方へは行きませんでした。 斜め左へ進む方は「小坂坂峠」道で、少し入り込んでみました。ここも灌木が繁茂して、先が見えず、踏み跡も無く、左側は崖でもあるし、危険を感じ入口まで戻りました。 県道を進むと、「下仁田町」の境界になり、その先に●旧道らしき道が見え、下りて行きます。 踏み跡があり、赤いリボンが下がっているので、それを目印に進み、●3本の丸木で、できた木橋を越えます。 "寶暦2年の・・大乗妙典供養・・" という石碑が一基立っており、旧道の名残であると安心しました。  9:33

   小坂峠入口~峠途中-
 ●リボンに沿って、このあたりまだ、踏み跡が残っていて、左手に●壊れた橋の残骸が残っています。●前方に土管の口が開いている所では、掃除機やら不法投棄物が散乱していて、丸木橋を渡ると、その先で立ち往生---。灌木が高く繁茂して先がわからず、赤いリボンも無くなり、踏み跡も無くなり・・で、方向がわからない--。 GPSの経路に従って、突入してもよかったのだが、崖があるし、前方は谷で危険・・ということで、右上に通る県道へ逃げました。 残念ながら、小坂坂峠は廃道同様で通れず・・ということになりましたが、冬場通ったという人もいるようなので、灌木が少ない時期ならば通れるかもしれないです。  9:37

  ■小坂坂トンネル~
 県道をクネクネと曲がり、●小坂坂トンネルを通過。心霊スポットだという噂がチラホラ。 出口の先、左手に●小坂坂峠入口があります。少し分け入ってみたけど、踏み跡が少し残り、こちらからだと通れるかもしれない。 "案内板"は摩滅して読みにくいです。 火葬場があったりする●県道を南下。 10:06

    ~国道254下仁田交差点
 下仁田交差点手前、右手に●伊勢山の百庚申というのが、ずらっと並んでいます。"案内板" 庚申信仰も極まれりという感じ。 道の反対側に●本誓寺がある。幕末、尊王派の水戸天狗党と幕府軍の高崎藩が下仁田で繰り広げた戦いが「下仁田戦争」の犠牲者の墓があります。"案内板" 。街道は、すぐ先、国道254号との●「下仁田」交差点に突き当たります。ここを右折するのが下仁田道で、突き当りの角に"道標"がある。読みにくいのだが、「調査書」によると、正面「向右小坂村 西牧村、左青倉村、磐戸村、月影村、尾沢村」右面「右青倉村 磐戸村、月影村、尾沢村、左吉田村、一ノ宮町、富岡町高崎市道」と刻まれているという。すぐ隣にあるという「桜井戸」は無くなっている。 10:16

 ■下仁田交差点~藤村詩塚
 ●下仁田の町並。町並はかすった程度だけど、下仁田街道の宿場として、又、砥沢宿を経て余地峠を越えて信州に到る経路に分岐する交通の要衝として発展しました。度々の火災で焼失していることもあって、土蔵を備えた家が多いと云われる。
 さて旧道は交差点を右折して国道を進みます。右手に「伊勢山妙見堂」を見ながら、●分岐のある所で、左手旧道に入って行き、500m位進むと右手に、●「髙﨑藩士戦死之碑」があります。"説明板" 水戸天狗党と高崎藩兵が戦った「下仁田戦争」を記念して明治26年に建てられた。 さらに、"島崎藤村歌碑"もありました。 10:30

 ■藤村詩塚~関口
 信号のある交差点で、国道254号を渡り、その先、”田中”の集落の中に旧道が続きます。 旧道の左手は●畑地が広がり、眺めが良い。右手高台に、●道祖神、庚申塔などの石仏群があります。旧道は●国道に突き当たるが、すぐ右へ道が続き、水路に架かる橋の脇に"大正十年の道標"がある。「向右下仁田町ニ至ル 左本宿村ニ至ル」と下仁田道を示し、「向左吉田村ヲ経テ一ノ宮富岡ヘ至ル」と梅沢峠を越えて富岡方面への道を示している。 10:46

 ■関口~安養寺
 旧道は国道を横切って、南側に続いている。この道は畑地を進む舗装路で、すぐ国道に合流する訳なのだが、「調査書」では2メートル足らずの荒れた砂利道というし、丸太橋を渡るなど、訳のわからないことになっているので、すでに廃道になっているのかもしれない。 「梅岩バス停」の所で国道に合流し、左へ曲がります。その先、右手高台に●●2メートル余りの地蔵尊や庚申塔などが固まって建っています。 道は手前の坂道を上がれというので、上がっていくと民家の庭先に出てしまい、不審者扱いになりそうなので、戻りました。 国道の右手に"庚申塔" があります。 この先、”安養寺”あたりの「調査書」での記述は全く意味不明で、ほとんど廃道になっているようです。ですので、国道を真っ直ぐ進むことにしました。●安養寺あたりの町並。旧道はこの裏手を通っているかもしれません。 11:02

 ■安養寺~中小板交差点
 右手に「←林道200M 史跡 小坂鉄山 士族奉行 諏訪部春彦之墓」という看板があったが、意味がわからなかった。右手に●「中小坂鉄山跡」の案内板が立っている。ここを上がっていくと、「中小板鉄山跡」の史跡が残っており、坑道やトロッコ跡などがあるという。 時間がなくて行かなかったが、「下仁田町HP」にて・・。 「中井」バス停の先、右手に入る旧道はうっかりして通り過ぎてしまった。 右手に旧小坂小学校(現社会福祉協議会)があります。 この左手、「調査書」では、「大黒屋の少し手前を左斜めに下って進む。道幅二メートルほどのじゃり道となり、・・・・・」などと書かれている。なるほど「大黒屋」はあるのだが、下って進む道が全くわからないので、ここは断念。庚申塔などが残っているそうだ。 右手、少し入った所に●赤い鳥居の春日神社がある。 その先、●中小板交差点に出ました。崖下に"道祖神、庚申塔群"が並び、"明治44年の道標"には「西本宿 信州追分 内山道 ~」「北松井田 妙義~」などと刻まれています。 11:36

 ■中小板交差点~
 「調査書」では、交差点から先、・・旧道はここより山際の1メートルほどの道(ほとんど廃道)を150メートル進み左折し、国道まで下る。国道を横切り西牧川に向かい、約50メートルで民家の庭の石垣の下を右折し、西牧川を左下に見て旧道は上流に向かう。交差点から山際を上がり、国道へ下り、国道の左手へ出て、今度は右手へ出て、建設会社の裏手を通り、・・・要は国道を挟んで右左とジグザグに進んでいるという。現在ではそんな道は探せないので、しばらくは●国道上を進むしかありません。
 「下大平バス停」の先、右手に「観光センター」があるので、トイレなどしばし休憩を取りました。 その先、右手、●永寿寺があり、門前に「法華経三千部」と庚申塔2基があります。右手の裏山中腹に●芭蕉句碑がある。"説明板 12:17

    ~小河原
 寺から先の「調査書」の記述では旧道は、国道左下の川沿いを進んでいるらしいが、現在では国道を真っ直ぐ進むしかありません。左手に●荒船神社の鳥居が立っているが、社殿が見あたらない。国道下の廃道の中に消えているみたいです。 しばらく行った、左手に●庚申塔2基、寒念仏供養塔、宝暦9年(1759)、双体道祖神が大きな石の上に乗っています。「山口バス停」先、●「おかた茶屋」前の分岐を右手へ入って行くと、"立派な庚申塔"がある。万延元年(1860)のもので、江戸末期の書家として知られた市川米庵の書によるものという。 旧道はこのまま進んで、高根神社参道下の方まで続いて、その先約50mで国道に合流していたというが、今はこの道は通れないので、すぐ先で国道に合流せざるを得ません。12:40

 ■小河原~本宿分岐
 右手石垣の上に"小さな稲荷神社"が鎮座。「板詰」集落の奥に高根神社があり、旧道はこの辺まで延びてきているというのだが、よくわからないので、探しには行かなかった。 県道右手に●庚申塔群が建っています。"庚申塔" は3基で、享保七年(1722)、明和九年(1772)、万延元年(1860)のもの。 その先、右手に●「西牧関所跡」の石標と"案内板"があります。この地から信州へ内山峠、余地峠、和美峠などへ通じる要衝で、その関門として「西牧御関所(藤井関所)」が設けられた。しかし五街道とは異なり、役改めには武士ではなく、村役人が勤めたので、扱いはゆるかったのではないかと思います。 裏手一帯は墓地で、関所跡は手前、徒歩3分の川沿いにあるとのことなのだが、見には行かなかった。 その先の●分岐で、右手は本宿へ向かい、初鳥屋を経て和見峠を越えます。左へは市の萱から内山峠を越えて信州方面へ向かいます。今回は右へ曲がり「本宿」へ入ります。 13:05

 ■本宿~
 本宿は初鳥屋宿と下仁田宿の間に位置し、下仁田街道中、最も古い町並みを残している宿場町です。背後に峠を控えていた事もあり宿泊や休息に利用する人も多く、安政元年には旅籠、茶屋の数は9軒、馬の数は13頭、家屋は68軒あり、本陣は設けられず、名主の神戸家本陣に準じた役割を担ったといいます。 ●坂下から宿の入口である●下宿まで、現在は1本の舗装路が通じているが、旧道は分岐の所から、山際に上がったり、西牧川に向かったりしていたようで、廃道になっています。 ●本宿の町並。人の気配が全くありませんが、宿場らしい家屋、土蔵などが残っています。 13:17 

  ~鏑神社
 旧道は宿の中程、●「古月堂」菓子店の前あたりから、左に折れ、●西牧川を渡り●鏑神社脇に出てくる・・というのだが、西牧川には橋が無くなって、渡れません。 従って現在の西牧川に架かる「常磐橋」を渡ります。

 ■鏑神社~根小屋
 ●かぶら保育園の手前を右折し、川沿いの細い道を進み、途中民家の庭先に入り込むようなことになるが、手前を左折して、●畑地の中を進みます。 本宿からつながる町道に合流して左折すると、●「根小屋バス停」先"道標"がありました。 13:45

 ■根小屋~滑岩
 左手に●国指定史跡「春秋館跡」という修理中の建物があって、何かと思って調べたら「世界遺産「荒船風穴」の経営母体」ということで、(HP) 見かけによらず重要な施設でした。 「小出屋バス停」先で、●曲輪橋を渡ります。左手に"道標"があり、「右小板村下仁田至 左矢川村ヺ経て長野県ニ至」などと刻まれている。橋を渡った先に"庚申塔など3基"あります。さらにその50m先左手に"俳人上原清涼碑"(昭和12年)を見ることができます。 道は鏑川に沿って進み、右手、●「滑岩」の集落へ入って行きます。 旧道はこのあたり県道を出たり下ったりしているということだが、現在は1本道で進むしかありません。 14:08

 ■滑岩~大栗
 滑岩の集落途中右手に●道祖神がある。"文字道祖神と双対道祖神の2基" 。「調査書」では川を渡り「清水沢百庚申」の前に出るとあるが・・なるほど、その先に"清水沢百庚申"の案内看板が立っているものの、県道の高架が被さって来ており、橋も無いので行くことができません。●高架の下から少しだけ覗くことができます。集落先から県道へ出て、対岸へ渡り、戻ってこないと見られないようです。 ・・旧道は百庚申のある「清水沢の集落」を進み橋を渡り返し、それから川沿いに進み、大栗集落は通らず、瀬成の集落へ出ていた・・という。現在は、県道をしばらく進み、鏑川の中に●夫婦岩という大小二つの岩が、でんと置かれています。(説明HP) 14:33 

 ■大栗~初鳥屋
 新家に入り、右手に●西野牧開田記念碑と道祖神が置かれ、左手、山際に●馬頭観音と庚申塔など「新家の百庚申」も見ることができます。  さて、「芝の沢バス停」に14時55分頃着いて、本日は初鳥谷3時15分発の「下仁田町営バス」で下仁田駅へ戻らないといけないので、バス停のベンチに座ったのだけど、あとバス停ひとつで初鳥谷だし、行ってしまおうと歩き出したら、これが、案外と長く、●初鳥谷分岐を過ぎたのが、15時12分。小走りでバス停に行き、下仁田駅行きのバスに間に合い、帰りのお客は2人で、200円で駅まで行けて、助かりました。 15:51終了

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